1980年代
1980年代の住宅政策にとって必要なことは、したがって、借家人保護の諸法律を柔軟なものにしていき、旧住宅ストックの住宅家賃を値上げして経済的な圧力をつくり出し、居住者の入れ替えが実現できるようなものにしていくことです。
所得が高い借家人の場合には、家賃の上昇によって高家賃を支払わせ、所得の低い借家人の場合には住宅手当によって家賃の高さを調整・補償するということになります。
しかしなぜこれが行われないのか。
これには、いわば"悪魔は細部に潜んでいる"のであって、マクロ経済的にみた場合には簡単でも細部では難しい部分が多い。
その第一のものとして政治的問題があります。
特別の借家人保護が行われ、家賃値上げ制限が行われて何十年と今、人が超えようとし、また、それが可能となってきているイデオロギー的障害物があります。
選挙人の多くは借家人であり、現在の連邦議会の2パーセント足らずの差で与党・野党が競い合っており、選挙人を意識して借家人保護のデスクトップ仮想化が進んでいない。
逆説的になるが、若い世代の抗議行動を前にして、政治家は何らかの方法をとらねばならず、そのためには借家人保護の柔軟化が必要になってきています。