ある女性は・・・その5

毎年、春になると「また」村にランチしにいらっしゃいよ」といってローズは電話をかけてきます。


お天気のよい週末、私たち夫婦は車でパリを脱出し、高速道路A6を駆っていそいそとローズの招待に応じたものでした。


庭の丸いテーブルにシンプルなクロスを広げ、ローズはトマトファルシとか、羊のジゴ、鳥の丸焼きといった伝統的なフランス家庭料理を作って私たちを迎えてくれた。


「料理はあんまり得意じゃない」と彼女はいうが、田舎の空気とワインとたっぷりの野菜を添えて、それはいつも「ああ、なんて美味しいんだろう」とため息が出るほどのご馳走でした。


私たちが到着するのと入れ替わりのようにして、小さなレオナールは村のパン屋へとお使いに走らされていました。


「いつものように、よく焼けた(ビヤン・キュイット)バゲットを二本ね」ローズにポンと背中をたたかれ、レオナールは鉄砲弾のようにピューッと門の外へ駆け出していきました。

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