ある女性は・・・その7
私がこんな個人的な話をいろいろ聞くことになった背景には、私自身の結婚に際してのよく似た事情というのがあったからで、当時そのことでかなり傷ついていた私を励ますつもりか、または「被害者としての怒り」を共有するつもりか、ともかくローズは「彼女のケース」について、かなり率直に、しかもそれを淡々とした調子で話しました。
ただし既に十年という歳月を経ているせいか、彼女の口調にはどこか他人事のような冷めたところがあり、本当のところその問題をどのくらい苦にしているのか、不快に思っているのか、そのあたりのニュアンスは実は私にもよくわからなかったのです。
むしろ日頃は温和な夫のジャンが、自分の親に対してここまで毅然としたほとんど冷酷な態度を見せることの方が、ひどく意外でした。
ともかく、食後のコーヒーを飲みながら、あるいは森を散歩しながら、私とローズはそのことをよく話題にしました。
しかし、結婚に際しての相手の親がらみの問題、という点を除けば、私たち二人の間には特にこれといって共通する点というのはなかったのです。